ふたつの「湯島」


※鉄道博物館公式Facebookにて2020年7月28日に投稿された内容となります。

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去る7月14日に 企画展「全線運転再開記念 常磐線展」の 資料の展示替えを実施しました。

 その中で、常磐線ゆかりの203系、E501系の側面行先幕(いずれもJR東日本勝田車両センター所蔵)を新たに展示しています。203系は常磐緩行線と地下鉄千代田線の直通運転用に製造された車両で、表参道、湯島といった千代田線内の駅名も行先として収められています。国鉄時代から使用されていたもので、いわゆる“スミ丸角ゴシック体”という独特の書体が使用されています。それに対してE501系の行先幕は初期のものは白地に紺文字、後期のものは青地に白抜きで行先が記され、書体も国鉄時代と異なりゴシック体に近いものとなっています。神立、久ノ浜とかなりマイナーな行先ですね。  ところで、203系用の行先幕に収められた行先の「湯島」ですが、現在館内の他の場所にも「湯島」と表記された資料が展示されていることにお気づきでしょうか? これに気づいた方はかなりの方ですね。そう、答えはコレクションギャラリーに展示中の「湯島」と記されたプレートです。この他に「鳥越」「深川」「花川戸」「向島」と合わせて6枚が並んでいます。このプレート、実は12系客車を改造したジョイフルトレイン〈江戸〉の各車両につけられた愛称を記したものなのです。〈江戸〉は純和風のお座敷車両で、各車両には上記のように江戸情緒が残る東京の下町にちなんだ愛称がつけられ、「湯島」は2号車につけられた名前でした。この資料、恐らく愛称名板として各車の乗降扉脇にさして使用したものと思われます。  鉄道の世界ではあまり登場しない情緒的な地名ですが、企画展担当の遊び心でそろえてみました。ご来館の際にはふたつの「湯島」を見比べてみてはいかがでしょうか。