常磐線 1枚の写真から vol.13


※鉄道博物館公式Facebookにて2020年9月5日に投稿された内容となります。

※該当記事のリンクは下部に記載。



日暮里から岩沼まで 常磐線の営業キロは 343.7㎞に達します


 東日本大震災前は343.1㎞でしたが、駒ケ嶺~浜吉田間で新線を建設して内陸側へ移設したため若干ですが距離が伸びました。以前にご紹介しましたが、全国のJR在来線の「本線」がつかない路線の中では最長の路線です。


 JRの各路線の線路際には、100mごとに距離標が設置され、現在地点が起点からどの程度の距離があるのか、分かるようにしています。昨年から今年にかけて企画展を開催するために常磐線を起点から終点まで巡りましたが、その際に常に意識していたのはこの距離標です。特に1㎞ごとに建つ距離標(キロポスト)には、起点からの距離が数字で記されており、日暮里からどれくらいの位置にいるのかが確認でき、なおかつ線路端では目立つ存在のため、常にチェックしていました。


 起点となる0キロポストは日暮里駅の常磐線ホーム(3、4番線)の北端に、下り線側・上り線側の2ヶ所に建植されています。下り線のものは架線柱の脇に立ち、気を付けていないと見落としそうなのですが、ここから常磐線が始まることをささやかにアピールしています。そして最後の343キロポストは岩沼駅の常磐線ホーム(1番線)のホーム上に設置されています。通常はホーム上に建てられることはありませんが、岩沼駅の場合、東北本線経由の場合とは距離が異なるため(東京起点で334.2㎞)、混同しないようにホームに建てられたのではないかと思われます。新線区間が開業したことで営業キロは伸びましたが、距離標についてはそのままとしているようです。


 0㎞から343㎞まで、一見するとただの数字の羅列に過ぎないかもしれません。しかし何日もかけて起点から終点までを巡ったのちに見るこの数字には、路線の歴史や沿線地域の変遷、鉄道のもたらした経済・社会・文化への影響など、時間的にも空間的にも、そして心理的にも膨大な意味が込まれており、特別なものに感じられます。そうした思いをもとに企画展を作り上げ、このFacebookの原稿を作成してきました。言ってみればこの企画展は、この「0から343の間にあるもの」をすくい上げる作業だったのかもしれません。