※鉄道博物館公式Facebookにて2020年8月24日に投稿された内容となります。
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1枚目と2枚目の写真 常磐線の主要駅ですが どこかお分かりになりますでしょうか?
なんとこの写真、59年前の北千住駅です。撮影は1961年12月で、現在の様子からは想像もつかない姿です。この当時は旅客用のホームは1面2線のみで、上下線とも外側に貨物の着発線がありました。常磐線の他には東武伊勢崎線が接続するのみでしたが、伊勢崎線のターミナルは山手線と接続しない浅草のため、この頃から北千住で伊勢崎線から常磐線に乗換える旅客は多く、乗り換え通路は大変な混雑を見せていました。 写真1は南千住側の跨線橋から構内を望んだ様子で、左側に常磐線ホーム、貨物列車が停車中の上り着発線、貨車の並ぶ側線4本をはさんで右手に東武伊勢崎線のホームが見えます。こちらも当時は島式ホームで、国鉄・東武ともホーム上に乗換え設備を建設しているようです。貨物列車や多くの貨車が並ぶ姿、そしてその上に空が広がる光景はいまでは想像もつきません。 写真2は写真1とは逆に南千住方向を望んでいます。右手に常磐線の島式ホームがあり、南端にはトイレが見えます。上り着発線には貨物列車が停車しており、その先で左方向へ急カーブするのは浅草へ向かう東武伊勢崎線、建設中の高架橋は地下鉄日比谷線のものです。日比谷線の南千住~北千住間はこの翌年の1962年5月に開業し、この時から伊勢崎線との相互直通運転を開始しました。遠方に隅田川貨物駅南側にあったガスタンクが望まれるくらいで、高い建物は見当たりません。 写真3は現在の北千住駅構内で、常磐線のホームは2面3線となり、線路上にターミナルビルが建設されました。左手の地下への階段を下り左折すると千代田線の北千住駅へと向かいます。さらに上りホームの直上につくばエクスプレスが高架で乗り入れ、その東側には東武の北千住駅が2層構造で並びます。59年前は国鉄と東武伊勢崎線が乗り入れるのみでしたが、現在では常磐線、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)に加え、日比谷線、千代田線、つくばエクスプレスが乗り入れるターミナルへと成長しています。 貨物扱いが無くなり、そのスペースを活用して旅客設備が拡張され、さらに駅ビルが建てられ、地下、地上を含めて駅が重層化され乗り入れ路線が増加し、現在にいたるわけですが、その変貌ぶりには目を見張るものがあります。