常磐線History vol.10


※鉄道博物館公式Facebookにて2020年6月5日に投稿された内容となります。

※該当記事のリンクは下部に記載。



 東日本大震災による津波被害、  福島第一原子力発電所の爆発事故により  常磐線は長期にわたり不通となりました。


 このうち、福島第一原子力発電所事故に伴う不通区間では、2014(平成26)年1月から国の避難指示が徐々に解除され始め、常磐線についても沿線の動向を踏まえて運転が再開されていきました。その後、小高~原ノ町間は国の避難指示解除に合わせ2016(平成28)年7月12日に運転を再開し、翌年、浪江町の帰還困難区域を除いて避難指示が解除されたのに伴い、4月1日に浪江~小高間の運転が再開され、10月21日には竜田~富岡間も運転を再開し、徐々に不通区間が短くなっていきました。

 残る区間の富岡~浪江間(20.8㎞)は、福島第一原発直近の地域となるため空間放射線量が高く、多くが国の指定する帰還困難区域となっていましたが、政府は2017(平成29)年8月に一部で解除をめざす方針を決定し、帰還困難区域内に「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」を設け、居住再開へ向けた環境整備を進めることにしました。

 そして、特定復興再生拠点区域に指定された常磐線不通区間の夜ノ森(富岡町)、大野(大熊町)、双葉(双葉町)の各駅周辺と周辺道路について、それぞれ本年3月10日、5日、4日に避難指示が解除され、これに合わせて、2016年3月から復旧工事を続けてきた富岡~浪江間についても、3月14日より運転が再開されたのです。

 ここに大震災発生以来約9年の歳月を経て、常磐線はついに全線再開の日を迎えることになったのです。日本の鉄道史上、災害によりこれほど長期にわたる不通を経て運転再開にこぎつけた例はなく、きわめて稀有な出来事と言えるでしょう。