​大宮鉄道博物館

2018年秋の企画展

「貨物ステーション 〜カモツのヒ・ミ・ツ〜」

2018.10.20 - 2019.2.24​

知られざる鉄道貨物の熱い現場を体験する。

鉄道貨物輸送は明治時代から続く鉄道による貨物の輸送システムで、日本で暮らす人々の生活を支える重要な役割を持っています。

本企画展では鉄道貨物輸送のシステムとその歴史、そして現役で活躍されている人々の仕事を取り上げ、普段見ることのできない鉄道貨物輸送を伝える展覧会として、弊社は空間設計、施工、グラフィックデザイン、映像制作を協力しました。

空間設計:本展覧会は3章構成となっていたため、空間構成を3つに分け鉄道貨物の秘密を分かりやすく表現しました。初めのキューブの部屋は、貨物輸送の特徴を紹介し、旅客輸送との違いから1章が始まります。来館者にも鉄道貨物のイメージが湧くよう時事の情報から鉄道貨物の写真資料と身近な貨物輸送を見ていただけるように考えています。貨物輸送の特徴を確認した上でいつから貨物輸送が走り出したのか?という鉄道貨物輸送の歴史へと誘導するよう、1章の部屋から2章の部屋を覗ける配置計画がなされています。各章の部屋を繋げなかったのは、2章の部屋では、歴史資料を一貫して紹介できること、展示物の警備のため既存の展示ケースに入れなければならないものが多くなったことから一つの部屋にまとめております。今回の展示計画で、展示物の数量と展示ケースを一体に考えた2章の配置計画から全体の展示構成を決定しました。2章の箱型の空間を見終わると、開けた空間の3章に入ります。はじめに視界に飛び込んでくるのは、展示室の4m×6m壁面に映像や音を使い動画で3章の鉄道貨物の現場感が伝わってくるよう配慮しています。見上げるように大きなトラクター、先が見えなくなるほど遠くまで続くコンテナ車両、そこで働く人々のスケール感が伝わるように映像に出てくる実物の展示物と使用方法が展示されています。また、大きな貨物駅全体を俯瞰し確認するために、鉄道博物館学芸員の専門的な知識とTOMIX様の協力でジオラマ模型も公開しております。3章は、1章、2章の部屋型で仕切るのではなく、「鉄道貨物の今の現場」を動画で確認した後に歴史にも特徴にも繋がるように広がりを持ちどこにもアクセスできるように計画しています。

グラフィックデザイン:本展覧会は3章構成となっていたため、各章を区別するためにパネルの枠を3つのメインとなる色、あずき色・水色・緑色を使って配色しました。色の選定は、取材時に見た貨物駅構内を埋め尽くしたあずき色のコンテナ、ロングフィートの水色のコンテナから2色を決めました。また、今では見ることができないのですが、緑色のコンテナが日本国有鉄道(通称、国鉄。現在のJRグループ各社の前身)時代に使われていたため、鉄道貨物を代表する色としてパネルの色に採用しました。

 

なお、展示物のキャプションも各章に振り分けられた配色を採用しています。また、パネルの各デザインは本展覧会で展示されている貨車車票(貨車の行き先、積み荷、荷受人などを示す紙)をモチーフとしてデザインし、貨物駅を細部まで表現した展覧会となっています。

動画制作:​撮影現場は、通常入ることのできない貨物ターミナル・貨物駅にて撮影することが可能となりました。鉄道博物館学芸員様及び日本貨物鉄道株式会社様の協力の元、鉄道貨物の現場を一つ一つ丁寧な作業を細かく説明いただき撮影に取り掛かりました。

鉄道博物館学芸員様からの要望は、貨物を取り扱う駅(貨物駅)で働く人々を注目することでした。そこで展示室に流れる音を、撮影現場で採取した音で音楽を作り、映像と音楽をリズムよく連携しながら動画を制作しました。展示空間内にはプロジェクターとモニター3台を使って3種類の動画を流し、まるで貨物駅にいるような自然音の流れる空間となっております。

また、本展覧会の竣工動画を制作し、多くの人が携わっている展覧会であることを紹介致します。

​この動画内で使われている音楽は展覧会で使用している音楽の一部になります。

©︎TOKYO TENDER TABLE