パンの降る家

アクリル絵具、116.7 × 91 cm、2022

身近な植物や農作物からイースト菌を作ると、待つ時間が長い。
夏であれば3〜7日間でイースト菌を含んだイースト液が出来る。イーストの香りの中には、その元種となる花や香草の香りが混じり、どんな香りになるのか想像が膨らむ。

イースト液ができたら、次に小麦粉と混ぜて発酵するのを待つ。
捏ねる、休ませる、捏ねると繰り返し、だんだん生地の膨らみが増していく。待機と単純作業を往復することで、パンが作られていく。
コバヤシはこの行為自体がとても幸せな時間であると考え、本作を制作する。単純作業と待機する間にパンについて考えるようになり、その幸せな時間を止めるように、自らの住む家にパンを降らしている。

「パンの降る家」に描かれている家は実在する。コバヤシの友人である現代作家・村上亘の作品を展示している時期の風景となる。多くの人を出迎え、来てくれた人を歓迎したいという気持ちでパンを焼いていたようである。