旧新橋停車場 鉄道歴史展示室

企画展

「没後20年 工業デザイナー 黒岩保美」

2018.7.10 - 2018.10.14​

色、カタチ、

近代に活躍した工業デザイナー、黒岩保美

黒岩保美(くろいわ・やすよし)は幅広い鉄道知識と優れた絵画能力を評価され、日本国有鉄道(通称、国鉄。現在のJRグループ各社の前身)に入社し、鉄道のあらゆるデザインに携わってきた人物です。

本企画展では絵師として高く評価されている黒岩氏を工業デザイナーの側面から再評価し、鉄道デザインの魅力を伝える展覧会として、弊社は展示レイアウト、図録制作、映像制作を協力しました。

展示レイアウト:第1章「鉄道とアートへの道 ー黒岩さんの生い立ちー」では、絵画能力の高さが分かる水彩画やペン画をより近くで閲覧できるように展示ボードに配置しています。第2章「国鉄のデザイナー ー黒岩さんの仕事ー」では、トレインマークのデザイン画を何案も練っていたことがわかるよう並べて配置しています。不採用案の中にも詳細まで考えられた素晴らしいデザインを見ることができます。また、デザイン案を施工図面に起こしたA0サイズの設計図面も展示されています。抽象化された鳥のデザインに、隠された幾何学的なガイドラインを見ることができます。第3章「鉄道文化を紡ぐ ー多才な黒岩さんー」では、交通博物館のパンフレットから絵本や彼の撮影した写真が掲載されている雑誌までが展示されています。

図録制作:図録のサイズを決めるにあたって黒岩氏が絵本を制作していたこともあり、多くの絵本が採用しているA5サイズに決めました。また、列車の横長のデザインを大きく配置できるように横長見開きを採用しました。

図録のレイアウトでは、黒岩氏のデザイン手法を彼の制作物から汲み取り、それを参考にレイアウトを行なっていきました。具体的には、彼の手がけたトレインマークのデザイン画からグリッド(線)を引いて文字や図形の配置を決めていたことが伺えました。このデザイン手法を今回の図録制作でも活かそうと、グリッドを用いて文字や図版のレイアウトを行ないました。また、展覧会の目的として黒岩氏の工業デザイナーとしての再評価がひとつにあったため、彼の工業デザイナーとしての成果物を最大限に大きくレイアウトすることを目指しました。例えば、設計図面など彼が細かな設計まで担っていたことがわかるような図版を大きく扱っています。

こうした図録の中身だけではなく、本のめくる行為自体が楽しくなるように、色の違う電車を奇数ページの一番下に配置し、パラパラ漫画のように黒岩氏のカラーバリエーションを楽しむことができるデザインにしました。

動画制作:​動画制作のコンセプトとして彼の絵師としての技術力がデザインに生かされていること、デザイン手法やデザインにいたる過程がわかりやすいことをコンセプトとしました。また、来館者の多くがご年配の方であり、落ち着いた雰囲気が漂う展示室内で流すものであったため、それに合うピアノ音楽を制作し、繰り返し流していても飽きさせない動画にしました。多くの人に展示も見てもらいたいため、広報も含めて動画を制作しました。

 

動画制作の詳細と試作段階の動画についてはこちらから。

©︎TOKYO TENDER TABLE