




ジュエリーデザイナー

長南 芳子
Chonan Yoshiko
東京藝術大学工芸科で鍛金を学ぶ。2008 年より空想の街をテーマにしたオブジェとアクセサリー制作を始める。2017年東京/谷中にアトリエショップ穀雨をオープン。同年、マリッジラインをスタート。心に響く情景をジュエリーやオブジェを通し形にしている。
WEBサイト:https://kokuutokyo.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kokuutokyo/
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インタビューの前に
Before the Interview
本展示の構成を受けて(3作家共通)
本展示の構成を担当する中で、禁教という日本社会の状況を経て、開国と同時にキリスト教の布教に命を懸けてきた人々の営みの一端に触れることができた。
現代社会の日常に深く根付いた様式や価値観の背景には、数えきれないほど多くの人々の尽力がある。その小さなやりとりを紐解いていく中で、手紙や言葉遣いの端々から、私はどこか「美の必要性」を感じずにはいられなかった。
日々の生活に溶け込む、かすかな光のような美しさをすくい取り、それに真摯に向き合い続けている人──私にとっての現代作家とは、そのような存在である。そのひたむきな姿勢は作品そのものに光を宿し、観る者の視線を自然と引き寄せる力を生む。
本展示への導入を現代美術が飾り、展示室に緊張感を与えたい。
長南芳子氏の選定理由
第3章「カトリック教育の果実」と、第4章「苦難の中の希望」の展示を跨いだ本展示最後の空間では、禁教から開国へと至った日本が、やがて戦争という他国との軋轢の中に置かれる時代において、それでもキリスト教の灯を絶やさなかった人々の働きに焦点を当てている。現代からは想像もつかないほど、目まぐるしく日常が変化していたはずである。
この時代の人々にとっての希望とは何だったのか。社会が他国とのつながりを失い、閉ざされていく中で感じたであろう恐怖に、なぜ耐えることができたのか。
本章の内容を読み込む中で、長南氏の作品が思い浮かんだ。小さなオリーブの花芽がきらりと光るアクセサリーには、彼女が向き合う美への姿勢と、その必然性が宿っているように感じられた。
また本展示では、空間のシークエンスを形づくる彫刻的な存在としての役割も持たせたいと考えた。そのため作品を円環状に配置し、展示空間の中で鳥瞰するような視線が生まれるように設計している。
長南氏は本作の制作にあたり、安野光雅氏の「旅の絵本」からインスピレーションを受けているという。とても小さな作品の中に物語があり、彼女自身が作品と長く向き合ってきた時間が伝わってくる。穀雨・長南氏のジュエリーには、小さな造形の中に無数の物語が折り重なっている。それらは観覧者にとって、自身の世界を広げるためのひとつの「窓」となるだろう。
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長南芳子氏へのインタビュー
interview
Q1. 鍛金・オブジェ・ジュエリーという素材や技法を選ぶ理由を教えてください。
金属素材や金工の技術を選んだ理由は、金属という素材が好きだというシンプルな理由もありますが、造形の自由度が高いことが大きいです。
ジュエリーやオブジェクトは私の中ではすこし意識が異なります。
ジュエリーは身につけるという条件的制約(重さや素材)がある上で考える面白さがあります。
オブジェクトはそれに比べると制約がすくなく、自分で決めたサイズくらいでしょうか。
のびのび考えられる面白さがあります。
自由なほうが良いかと思ってしまいそうですが、不思議とオブジェを作っていると制約があるジュエリーを作りたくなります。
Q2. 小さな世界・内包する空間性を作品で表現する際、来場者にどのような感覚を届けたいですか?
わたしは子供の頃、想像することがとても好きでした。
形を変える雲をいろいろな姿に置き換えたり、穴を出入りする蟻の小ささになってみたり、木登りしては家に見立ててみたり。
でも大人になって日々が忙しくなると、想像することは後回しになりました。
そんな中オブジェを作るようになり、小さなオブジェをきっかけにぐんぐんと想像する力や楽しさが戻ってきて、子供のころのように心の中が広がる感覚になりました。
それは私にとって伸びやかで心地よい感覚で、とても大切なものです。
ご来場者のみなさんに同じように、穀雨の作るオブジェがきっかけになり、個々人の中にある思い出や大切にしている物語が引き出され、心の中に風景が広がるような感覚となって欲しいと考え制作しています。

聖心女子大学 グローバル共生研究所/キリスト教文化研究所共催 企画展示
宗教と共生<第1期>
「カトリックは日本社会の窓だった!」
幕末の開国と明治維新に伴って、日本社会にはいくつもの「窓」が開かれ、法・社会制度や技術、学問、芸術文化などがもたらされ、人びとの交流が始まりました。本展では、その中でも一つの独特の「窓」となって、多くの人びとが行き来し、日本社会に新しい風を送り込み、また外国にも影響を与えることになった「カトリック」に焦点を合わせます。カトリックの大学である聖心女子大学のルーツにつながる歴史を多くの皆さんに知っていただきたいと思っています。
なお、本企画展は、歴史資料の展示と「窓」や「光」などのコンセプトを共有する現代アート作品とのコラボレーションによって、歴史を「体感する」試みになっています。合わせて、ご覧いただければ幸いです。
<開催期間>
2025年10月14日(火)〜2026年4月21日(火)
<会場>
聖心女子大学4号館/聖心グローバルプラザ1階BE*hive
<アクセス>
東京メトロ日比谷線「広尾駅」下車徒歩1分
<開館時間>
10:00〜17:00(日曜日・祝日休館)
<入場料>
無料
<主催>
聖心女子大学グローバル共生研究所/同キリスト教文化研究所
<協力>
聖心会





